オーダースーツができあがるまでの流れ
最近では比較的リーズナブルな価格でもオーダースーツを作れるようになってきました。自分の体形にあったサイズ感だけでなく、素材やボタンなど細部にまでこだわれる点が大きな魅力です。しかし、いざ依頼をしようと思っても敷居が高くて不安に感じる人も少なくありません。そこで今回は、オーダースーツを作る際の来店から納品までの流れを解説します。
来店~ヒアリング
既成スーツの購入時とは異なり、オーダースーツでは来店してからヒアリングする時間も重要なポイントになります。ここでは、オーダースーツの店に行ってからヒアリングする際の流れを紹介します。
来店
オーダースーツを購入する際には来店前に必ず店舗に連絡を取り予約を取るようにしましょう。予約なしで来店しても問題がない店舗もありますが、混雑具合によっては対応してもらえるまでの待ち時間が長くなってしまうなど想定よりも時間がかかってしまう可能性があります。
特に土日など混雑しやすい日は、予約をしてから来店することをオススメします。また、初めてオーダースーツを作成することを伝えておくと当日の案内もスムーズに進みます。現在のスーツを持参した方がスムーズにオーダーが進む場合もあるため、持参した方が良いものがないか確認しておくと安心です。
ヒアリング
オーダースーツを作るにあたり最も重要になるのがヒアリングです。自分の思い描いているスーツを完成させるためには、スーツの使用目的や着用する季節、着用する頻度やシチュエーションなどを正しく伝えることが大切になります。
既成のスーツではなくオーダースーツを選ぶ理由なども伝えておくと、テーラーとイメージを共有しやすくなるでしょう。現在着ているスーツを持参して、不満がある箇所を伝えるのも分かりやすい方法です。また、合わせる靴やシャツなども持参もしくは写真で取っておくと、よりイメージが伝わりやすくなります。
生地・デザイン選び~採寸
ヒアリングが終わると生地選ぶやデザイン選び、採寸などスーツを作る上での重要なステップに進んでいきます。
生地選び
オーダースーツの醍醐味ともいえるのが生地選びです。ベースとなる生地を生地見本の中から選びます。質感や触り心地は素材によって大きく異なるため、自分が心地よく感じる生地やTPOに合わせた生地を選んでいきましょう。オーダースーツの価格は生地代によっても大きく変わってくるため、予算内に収まる生地にすることも生地選びでは重要です。予めテーラーに予算を伝え、予算に合った生地に絞ってもらうと生地選びがスムーズに進みます。
デザイン選び
スーツのイメージを大きく左右するのがデザインです。スーツのシルエットには流行もあるため、流行をどの程度取り入れるかは判断が難しいところでもあります。可能であればサンプルや過去にテーラーが作った完成品を見せてもらいイメージをはっきりさせておくようにしましょう。またTPOによって選べるデザインも異なるため、使用目的に合ったデザインを選ぶことも大切です。分からないことはテーラーに聞きながら条件に合うデザインに決めていきましょう。
採寸
身長や肩幅、腕周り、肩まわり、足回り、股下などをテーラーが細かく計測します。ベテランのテーラーであれば数字にならないような細かい身体の特徴もチェックし、理想的なバランスになるよう採寸していきます。
縫製~納品
採寸まで完了すれば購入者は納品を待つのみになりますが、採寸以降はどのような流れでスーツが作られているのでしょうか。
縫製
仕立ての種類によって縫製の方法も変わります。パターンオーダーの場合は全行程をマシンメイドにすることでコストを抑えており、手縫いが必要な場合はごく一部のみ手縫いが採用されます。イージーオーダーは店舗によっても異なりますがハンドメイドとマシンメイドを併用するケースが多い傾向です。
それに対してフルオーダーの場合は、手縫いを多用するハンドメイド仕立てが広く採用されています。中にはマシンメイドのフルオーダーと謳っている店舗もありますが、基本的にフルオーダーの場合はハンドメイドが主流です。
納品
オーダースーツは既製品と異なり自分の体に合わせて作られるため、納品までにも時間がかかります。およそ1ヵ月は時間がかかるとされているため、オーダースーツを着用する時期が決まっている場合は早めに予約をして来店するようにしましょう。余裕をもって2ヵ月前までに来店して話を進められると安心です。
オーダースーツは既製品と異なる工程も多く、来店してすぐに購入できるものではありません。初回来店時にもヒアリングや生地選び、採寸などに時間がかかるため余裕をもったスケジューリングが大切です。お金だけでなく時間もかけて作ったオーダースーツは、あなたにとって愛着のある大切な1着になることでしょう。ぜひ完成までの工程も楽しみながら、世界で一つだけのオーダースーツを作ってみてください。